《映像 第1集》は、クロード・ドビュッシーが作曲した、ピアノ独奏のための組曲です。
この曲集では、《水の反映》が有名ですね。
耳にしたことがある、という方も多いのではないでしょうか。
全3曲の組曲で編成されている《映像 第1集》は、視点や焦点が次々と切り替わるように感じられます。
こうした「音で情景を切り取る」感覚こそ、ドビュッシーが“映像”という題を選んだ理由なのかもしれません。
ここでは、《映像 第1集》の基本情報と構成を整理していきますね。
映像 第1集とは
《映像 第1集(Images, Première série)》は、クロード・ドビュッシーによるピアノ作品です。
1905年に作曲・出版された、ドビュッシーの円熟期に差しかかる時期の作品のひとつです。
そのためか、音色・和声・構成のいずれもが、より洗練された印象を持っています。
この曲集には、
という、性格のまったく異なる3曲が収められています。
同じピアノ作品でありながら、水面のゆらぎ、厳粛な追悼、鋭い運動感――
まるで視点や焦点距離が切り替わるような感覚を味わえるのが、《映像 第1集》の魅力です。
映像 第1集の構成(全3曲)
《映像 第1集》は、性格の異なる3つの小品から構成されています。
それぞれの曲について、簡単にお伝えしていきますね。
第1曲 水の反映(Reflets dans l’eau)
水面に映る光や、揺れ動く反射を描いた作品です。
きらめくアルペジオと繊細な和声が重なり合い、静かな水辺の情景が立体的に浮かび上がります。
ドビュッシーの「水の表現」を代表する1曲として、演奏会でも非常に人気の高い作品です。
▶ 第1曲 水の反映はこちら
第2曲 ラモーを讃えて(Hommage à Rameau)
フランス・バロック音楽の作曲家ラモーへのオマージュとして書かれた曲です。
荘重で落ち着いた雰囲気の中に、深い敬意が感じられます。
派手さはありませんが、和声の美しさと内面的な深さが際立つ1曲です。
▶ 第2曲 ラモーを讃えてはこちら
第3曲 運動(Mouvement)
反復音型とリズムによって、機械的ともいえる運動感が生み出される曲です。
鋭い推進力があり、《映像 第1集》の締めくくりとして強い印象を残します。
後のミニマル的発想を先取りしたような側面がある曲。
だからこそ、聴く人によって印象が大きく分かれます。
▶ 第3曲 運動はこちら
《映像 第1集》はどんな人に向いている?
《映像 第1集》は、ドビュッシーのピアノ作品をもう一段深く味わいたい人に向いた曲集です。
たとえば、
という方には、特におすすめです。
3曲は性格がはっきりしているため、1曲ずつ切り分けて聴くのも向いています。
また、通して聴くことで、「映像」という発想の広がりも見えてくるんですよ。
楽譜を探すなら
《映像 第1集》の楽譜を探す際は、選び方に悩みますね。
そんな時は、「全曲」か「個別曲」かを決めると選びやすくなります。
《水の反映》は単独譜としても流通していて、入手しやすいです。
とはいえ、曲集全体を理解したい場合は、
といった、信頼できる商用譜を選ぶのがおすすめです。
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※各ショップの公式ページに移動します。価格や在庫はショップにてご確認ください。
ドビュッシーの他のピアノ作品へ
《映像 第1集》のほかにも、ドビュッシーは多くのピアノ作品を残しています。
代表的なものとしては、
などがあります。
それぞれ作風や雰囲気は異なりますが、ドビュッシーらしい音の世界を、違った角度から味わうことができます。
気になる作品があれば、タイトルからそれぞれの解説ページをご覧ください。
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