こんにちは、響です!
クラシックは堅苦しい──そう思っていませんか?
実はあなたも、映画の名場面で何度も耳にしているんです。
その代表例が、映画『2001年宇宙の旅』冒頭に流れる《ツァラトゥストラはかく語りぬ》。
今回はこの曲について、詳しくお伝えしますね。
《ツァラトゥストラはかく語りぬ》は、哲学者ニーチェの著作から着想を得て作曲された作品です。
ただし、哲学をそのまま音楽にしたわけではなく、原作の一部を切り取り、描写的に表現したものなんですよ。
ここで質問です。
この曲を《ツァラトゥストラはかく語りぬ》以外のタイトルで覚えている方はいませんか?
実はそれは翻訳あるあるなんです。

翻訳者によってクセがあるので、いろいろなタイトルが存在するんですね。
この曲には、例えば──
といったバリエーションがあります。
ここでは《ツァラトゥストラはかく語りぬ》で統一してお伝えしますね。
映画史に残る冒頭シーンと鳴り響く音楽
映画『2001年宇宙の旅』と聞いて、まず思い浮かべるシーンは何でしょうか?
どれも映画史に残る名場面です。
その中でも特に衝撃的なのが、冒頭のシーン。
原人が骨を武器に使えると気づき、空へ投げる。
その瞬間、映像は宇宙船へと切り替わり、背後に響くのがリヒャルト・シュトラウスの《ツァラトゥストラはかく語りぬ》。
この音楽と映像の融合は、映画史に残るオープニングとして今なお語り継がれています。

HALが最後に歌う《デイジー・ベル》は、当時の音声合成技術に由来する演出なんですよ。
クラシック音楽とは違うけれど、映画らしい小ネタとして覚えておくと面白いですね。
そしてラストシーン。
宇宙に浮かぶ巨大な胎児“スターチャイルド”を彩ったのが、リゲティの《レクイエム》。
神秘的で不気味な響きが、映像の衝撃をさらに強めています。
映画『2001年宇宙の旅』は、まさに クラシック音楽と映像表現が完璧に結びついた作品 なのです。
なぜこの音楽が人類の進化を感じさせるのか
リヒャルト・シュトラウスの《ツァラトゥストラはかく語りぬ》が、映画『2001年宇宙の旅』の冒頭に選ばれたのには理由があります。
まず耳に飛び込んでくるのが、金管とオルガンによる荘厳なファンファーレ。
《ツァラトゥストラはかく語りぬ》を象徴するフレーズと言ってもいいでしょうね。
この力強い響きが、まるで「新しい時代の幕開け」を告げるかのように鳴り響きます。
続いて広がる和音は、「文明の夜明け」を象徴するようなサウンド。
広がる和音は“文明の夜明け”そのもの。
《ツァラトゥストラはかく語りぬ》が描き出すサウンドは、スクリーンに広がる夜明けの太陽と呼応するかのような響きです。
これが、「原始の人類から宇宙開発へ」という壮大な進化の物語のテーマを力強く支えているのです。
ちょっと考えてみてください。
もしこの場面に音楽がなければ、どうだったでしょう?
ただの映像表現で終わっていたかもしれませんよね。
しかし、ここにシュトラウスの音楽が重なってきます。
映像と音楽。
この二つがあることで、観客の記憶に深く刻み込まれる「人類の進化」を感じさせる名シーンになったのです。
映画で使われた音源は、ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ウィーン・フィルによる録音。
一方で、最初に発売されたサウンドトラック盤にはカール・ベーム指揮ベルリン・フィルによる演奏が収録されていました。
このため「どちらの録音が映画のものか」で混乱する人も少なくありません。
これは映画のクレジットに曲名しか表示されていなかったのが原因なんですよね。

カラヤンとベーム、まさに20世紀を代表する二大巨匠ですよね。
どちらも堂々たる演奏なので、聴き比べるのもおすすめです。
実はクラシックはあなたのすぐそばにある
《ツァラトゥストラはかく語りぬ》という曲名を知らない方は少なくないと思います。
でも、印象的な冒頭のメロディーを耳にしたことがある人は多いはずです。
「クラシックは難しい」
「自分には縁がない」
そう思ってしまうのも無理はありません。
でも実際には、映画やテレビ、CM、スポーツの入場曲など、日常のあちこちでクラシックは流れているんです。
今回、お伝えした《ツァラトゥストラはかく語りぬ》。
映画『2001年宇宙の旅』の冒頭シーン以外にもいろいろなところで使われています。
どうでしょう? 一度は耳にしているんじゃないでしょうか。
曲名こそわからなくても、「あの曲!」となるはずです。
つまり「クラシックを聴いたことがない人はいない」と言ってもいいくらい。
それほど身近にあるのがクラシックなんです。
あなたも気づかないうちに、クラシックを楽しんでいるんですよ。
映画や音源で《ツァラトゥストラ》を味わってみよう
《ツァラトゥストラはかく語りぬ》は、実は全曲で30分を超える壮大な交響詩です。
映画『2001年宇宙の旅』で有名になった冒頭部分だけでなく、その後もドラマチックで多彩な展開が待っています。
もし「冒頭しか知らない」という方は、ぜひ映画の Blu-ray や音源で全曲を体験してみてください。
スクリーンでの映像と共に聴くのも迫力満点ですが、純粋に音楽だけでじっくり味わうと、また違った魅力に気づけるはずです。
映画とともにクラシックをもう一度体験してみませんか
ここまで、《ツァラトゥストラはかく語りぬ》と映画『2001年宇宙の旅』の関係について見てきました。
ここで、最初からの流れをまとめてみますね。
クラシックは“時代を超えて伝わる普遍性”を持つからこそ、映画と結びつくんですよね。
興味を惹かれる映画を観ることがきっかけで、クラシックはぐっと身近になります。
『2001年宇宙の旅』で体験した感覚を、自宅でもう一度味わってみませんか?
自宅でのひとときが、あのスクリーンの感動とつながるはずです。
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最後まで読んでくださってありがとうございました。