《グノシエンヌ》(Gnossiennes)は、エリック・サティが1889年から1891年と1897年に作曲したピアノ曲です。
その中でも、彼が24歳の時に作曲した第1番から第3番の3曲。
この3曲は、《3つのグノシエンヌ》として特に有名です。
《グノシエンヌ》は第6番までという通説があります。
ただ、サティ自身が生前に《グノシエンヌ》の題名で発表したのは、《3つのグノシエンヌ》のみなんです。
サティの死後、他に3曲が発見され、《グノシエンヌ》の題名で出版されました。
でも、自筆譜に題名が書かれていたわけではなく、作曲時期や曲の傾向から《グノシエンヌ》と勝手に命名されたんです。
この楽曲の特徴は、古代ギリシャの詩の脚韻を踏んだリズムが伴奏部に使われていること。
《3つのグノシエンヌ》には、プーランクによる1946年に編曲されたオーケストラ版もあります。
こちらを耳にしたことがある方もいらっしゃるでしょうね。
《グノシエンヌ》の特徴
《グノシエンヌ》は東洋的な雰囲気の曲だといってもいいでしょうね。
これは、1889年のパリ万博で知った、ルーマニア音楽の影響だと言われています。
独特な音の流れは西洋的というより東洋的ですよね。
また、「思考の端末で」「うぬぼれずに」「頭を開いて」のような注釈も加えられています。
これは第3番までなのですが、曲の演奏家への助言として書かれているんです。
もっとも、かなり奇妙でどう判断したらいいのかわからないっていう部分もありますよね。
《グノシエンヌ》各曲の紹介
ここから《グノシエンヌ》のそれぞれの曲についてお伝えしますね。
詳しいことは、各曲の説明の最後にあるリンクからの記事を参考にしてください。
第1番
1890年作曲。拍子記号も小節線もないという驚くような楽譜です。
「思考の隅で…あなた自身を頼りに…舌にのせて」などと書き込まれています。
▶ グノシエンヌ 第1番はこちら
第2番
1890年作曲。この曲も小節線がありません。のびやかな旋律が歌われるのが特徴でしょうか。
楽譜には「外出するな…驕りたかぶるな」といった注意書きがあります。
▶ グノシエンヌ 第2番はこちら
第3番
1890年作曲。普段、使用されない音程が、東洋風の響きを醸しだしています。
「先見の明をもって…窪みを生じるように…ひどくまごついて…頭を開いて」といった書き込みが暗示的。
▶ グノシエンヌ 第3番はこちら
第4番
1891年1月22日の日付が自筆譜に書かれています。他の《グノシエンヌ》とは、左手の伴走が違ってるんですよ。
サティの死後発見され、1968年にサラベール社から出版されました。
▶ グノシエンヌ 第4番はこちら
第5番
自筆譜に1889年7月8日の日付が書かれています。6曲の中で最も早期の作品。
この曲にのみ小節線が書かれているのも特徴ですね。
この曲もサティの死後発見され、1968年にサラベール社から出版されました。
▶ グノシエンヌ 第5番はこちら
第6番
1897年1月作曲。サティの死後発見され、1968年にサラベール社から出版されました。
この曲のみ、他の《グノシエンヌ》とは曲想が明らかに異なっています。
でも、他の5曲と同じで、反復されるリズムに乗って詩情あふれる旋律が歌われているんです。
▶ グノシエンヌ 第6番はこちら
第7番について
《グノシエンヌ》は第6番までと思っていらっしゃる方がほとんどだと思います。
ただ、《グノシエンヌ 第7番》と扱われる曲も存在します。
それは、《梨の形をした3つの小品》の第1曲として知られる曲。
途中で《グノシエンヌ》とタイトルを変えられた経緯があるんです。
ですので、最近では《グノシエンヌ 第7番》として演奏会やCD等で紹介される場合があります。
ただし、当サイトではこの曲は《梨の形をした3つの小品》で扱います。
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